息子の自由研究で気づいた、「AIを知っている会社」と「AIを使える会社」の差

先日、小学4年生の息子と、夏休みの自由研究に取り組みました。テーマは「テニスボールの回転とマグヌス効果」です。

息子は普段からテニスをしており、コーチから「スピンをかけるとボールがコートに入りやすい」と言われていました。しかし、なぜスピンをかけると入りやすくなるのか、本人はよく分かっていませんでした。そこで、回転をあまりかけないフラットのボールと、トップスピンを強くかけたボールでは、落ちる場所やバウンド後の高さがどう変わるのか、実際にテニスコートで比べることにしました。

今回、自由研究のテーマをAIに考えてもらったわけではありません。息子が実際に取り組んでいるテニスと、普段から感じていた疑問を出発点にしています。AIにゼロから答えを作らせるのではなく、私たちが持っている経験や疑問を、自由研究として伝わる形にするためにAIを使いました。

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実験する前に、AIで完成形を考えた

今回、AIが特に役立ったのは、実験後の文章作成ではありません。実験を始める前に、完成する自由研究レポートの全体像を考えられたことです。どのような順番で説明するのか、どんな比較が必要なのか、どの場面の写真を撮っておくべきなのか。何を記録しておけば、あとから結果を説明できるのか。AIにレポートの構成案を作ってもらったことで、実験当日に必要な素材が見えてきました。

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例えば、今回のレポートでは次のような写真が必要でした。

  • フラットとトップスピンを打っている場面
  • ボールの高さをそろえるために設置した黄色いライン
  • それぞれのボールが落ちた場所
  • 2バウンド目の位置
  • バウンド後にボールを打つ高さの違い
  • 息子が実際に実験している様子

もし何も考えずにテニスコートへ行っていたら、実験が終わってから「落下地点の写真がない」「フラットとスピンを比較できる写真がない」と気づいていたかもしれません。AIによって短縮できたのは、文章を書く時間だけではなく、何をすればよいか迷う時間と、あとからやり直す時間でした。

AIで何ができるかを知っていたから、動画を残せた

実験では、写真だけでなく動画も多めに撮影しました。私は普段からChatGPTを使っており、Workに動画を渡して必要な場面を確認し、静止画として取り出せることを知っていたからです。

そのため、ボールが黄色いラインの近くを通る一瞬や、打った直後のフォームを、写真だけで完璧に撮ろうとする必要がありませんでした。写真で決定的な瞬間を撮ろうとすると、タイミングがずれたり、何度も撮り直したりする可能性があります。一方、動画を残しておけば、あとから必要な瞬間を探せます。

私の場合、有料プランを契約し、ChatGPTやWorkを実際に使ってきたことで、こうした使い方を知りました。もちろん、課金すれば自動的にAIを使いこなせるわけではありません。重要なのは、実際に機能を試し、「これは仕事や生活のどこで使えるだろう」と考えることです。

AIは、知っているだけでは時短にならない

今では、多くの人がAIやChatGPTの存在を知っています。スマートフォンのアプリで質問をしたことがある人も多いでしょう。しかし、AIがどこまでできるのか、自分の仕事や生活のどこに組み込めるのかまで理解しているかどうかは、人によって大きく異なります。

スマートフォンで質問に答えてもらうだけでも便利です。ただ、それだけでは、ファイルの整理、画像の比較、動画からの静止画抽出、文章構成、レイアウト案の作成など、さらに時間を短縮できる使い方が見えにくいかもしれません。

私自身も、AIの能力をすべて活かしきれているとは思っていません。新しい機能は増え続けますし、実際に使ってみなければ、何が得意で、何が苦手なのかも分かりません。AIは、存在を知っているだけでは時短になりません。普段から使い、自分の中に「こういうことにも使える」という引き出しを持っているからこそ、必要な場面で活かせます。

「AIを使わないと損」というより、正確には、AIの使いどころを知らないことで、本来短縮できる時間を取りこぼしている可能性があるのだと思います。

AIだけでは、自由研究は完成しなかった

もちろん、すべてをAIだけで完成させられたわけではありません。AIには、全体構成、文章のたたき台、写真の選定、レイアウト案などを任せました。

一方で、何度修正を頼んでも、こちらが意図したとおりにならない部分もありました。細かな文字の配置、写真の大きさ、表現のニュアンス、誤字や文字切れなどは、最後に人間が確認しなければなりません。最終的には、使用する写真を選び、コンビニへ行ってプリントし、大きな用紙に貼る作業も必要です。

そして、実際にボールを打つのは息子です。結果を見て考えること、親子で話し合うこと、最後に自分の言葉でまとめることも、人間の役割です。

AIが自由研究を代わりにやってくれたわけではありません。AIが準備や整理にかかる時間を減らしてくれたことで、親子で実験し、結果について話す時間を増やせた。今回の使い方には、そういう意味がありました。

この話は、SEOやAIOにもそのまま当てはまる

私は株式会社reminisceで、SEOやWebメディアの支援をしています。今回の自由研究で感じたことは、SEOやAIO、つまりAI検索への対応にもそのまま当てはまります。

SEOという言葉を知っている会社はたくさんあります。生成AIによって検索や情報収集の方法が変わり始めていることも、多くの経営者やマーケティング担当者が知っています。しかし、知っていることと、自社のマーケティングに活かせていることは別です。

  • 自社のどの知見をWeb上に残すべきなのか
  • 検索エンジンや生成AIに、自社をどのような会社として認識してもらいたいのか
  • AIに任せてよい部分と、人間が判断すべき部分はどこなのか
  • 従来のSEOに加えて、AI検索をどう捉えるべきなのか

ここまで整理できている会社は、それほど多くないように感じます。問題は、AIを導入していないことだけではありません。自社の中に価値のある知識や経験があるのに、それがWeb上に存在しないことです。

どれだけ優れた実績や専門性を持っていても、社内の会話や担当者の頭の中にしかなければ、検索している顧客には見つけてもらえません。生成AIが回答を作る際にも、参照できる情報にはなりません。

検索結果がAIによって要約される時代になっても、その回答の元になる情報は必要です。むしろ、誰でもAIで一般的な文章を作れるようになったからこそ、企業が実際に経験したこと、顧客とのやり取りから得た知見、独自の判断基準といった一次情報の価値は高まっていくと考えています。

必要なのは、AIで記事を量産することではない

AI時代のSEOやAIOで重要なのは、記事数を増やすことではありません。必要なのは、自社が何者で、どの領域で選ばれたいのか、そのためにどんな知見をWeb上へ残すのかを明確にすることです。

今回の自由研究も、AIが一般的な説明を作っただけでは意味のあるものになりませんでした。息子が実際にボールを打ち、親子で結果を考えたという体験があったからこそ、伝える価値が生まれました。

企業のWebメディアも同じです。AIだけでは、その会社にしかない価値は作れません。しかし、社内にある経験、実績、顧客への理解をAIで整理すれば、以前より速く、分かりやすく発信できます。

AI時代に、会社の知見をどう残すか

AIの使いどころを知らなければ、短縮できる時間だけでなく、顧客に見つけてもらう機会まで取りこぼす可能性があります。

株式会社reminisceが支援するのは、AIによる記事の量産ではありません。会社の中にある知見をWeb上に残し、検索にもAIにも顧客にも「この分野ならこの会社」と認識される状態を育てることです。

何を発信すべきか分からない。SEOには取り組んできたものの、AI検索まで含めて何を変えるべきか整理できていない。記事を増やしているのに、自社の強みや問い合わせにつながっている実感がない。

そのような企業の方は、現在のサイトと課題をお聞かせください。

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